こんにちは。
ワンダーシティ代表の岩井です。
今回は、葬儀屋を営んでいる 増井康高さんにインタビューを
させていただきました。
葬儀屋業界の詳しいお話をお聞きするのは、
私にとってはじめての経験です。
早速、増井さんに詳しくお窺いしてみたいと思います。
その前に、増井さんのご紹介です。
まずは、こちらをご覧ください。
増井さん自己紹介記事
インタビュー始まってすぐに熱く語り題した増井さん。
どのテーマも面白いものばかりです。
どうぞ、最後までお付き合いください。
岩井:私、葬儀屋さんにお会いしたのは初めてなんです。
看護師をしていた時にお仕事として事務的なお話はしますが、
こうやってじっくりというか、、、プライベートではなかなか、、
なので、是非、色々聞かせてください。
増井:そうなんですよ。
あまり、身近ではありませんよね。
先日、イベントでの登壇するオファーを頂いて
依頼をお受けしたら、イベント関係者の数名から
参加辞退のご連絡があったそうなのです。
岩井:え?なぜなのですか?
増井:不思議なのですが、葬祭関係者は縁起が良くないイメージや
宗教上の理由などで、忌み嫌う方もいらっしゃるんです。
FBの友達申請もリクエストされたので「よろしくお願いします」とご挨拶したら
「葬儀屋さんによろしくと言われてもな(笑)」と言われたりします。
岩井:そういう意味なんですね。それは驚きますね。
それだけ、無意識に遠ざけたい心理が働くのかもしれませんね。
増井:葬儀は、儀式の一つなので、よくウェディングと比較されますが、
幸福産業はあやかりたいのでしょうが
葬儀は、突然大事な方が亡くなったから執り行うからなんでしょうかね
以前よりは減少傾向にありますが、まだまだそういった対応される方もいらっしゃいます。
岩井:そうなのですね。葬祭業界は、
新型コロナの影響がかなりあった業界ではないですか?
増井:新型コロナの影響は本当に大きかったですね。
いろいろ運営とかを変えないといけないことも
ありますし、バタバタしました。
そういえば、地域により呼び方は様々ですが、私が地域では通夜振る舞い、
精進落としなどと呼ばれる儀礼における会食も
それもコロナの感染を心配して、なしでっていう方が凄く多くなりました。
参列も少数です。
でも、なぜか、車1台で7人がぎゅうぎゅうになって葬儀場へいらっしゃるのです。
そっちの方が密なんじゃないかと思います。苦笑
岩井:確かに!!笑 矛盾ですね。
増井;でも、簡単にやめるとか言われますが、本来、1つ1つちゃんと
執り行う意味があると思うのですよね。
なぜ、お経を唱えるのか
なぜ、親族一緒にご飯をそこで食べるのか
なぜ、葬式をやるのか
本当の意味とか目的とかその機能を知っていただいてから
判断していただく必要があるかと思います。
岩井:なるほど。それぞれどのような意味があるのですか?
増井:宗教上の意味は私は宗教者ではないので割愛いたしますので、機能でお話しさせていただくと
現代社会では葬儀以外の儀礼で親族が集まることって無くなりました。
双璧をなすのがブライダルですが
都市部では少子化、晩婚化、結婚しない、結婚式しないとなって、
いよいよ家族、親族、一族にとって最後のコンテンツかもしれないです。
儀式はお宮参りも七五三も家族や一族が変わる日です。
結婚式ならご両家が繋がる日。
葬儀なら家長が他界され、その家長で支えられてきた一族が新たな形になる初日
・・・がお葬式となります。
その一緒にいる時間の長さが私は重要だと思います。
人生100年時代と言われても、家族や一族が一緒にいる時間はごく僅か・・・
お葬式はたまの集まりですからプレミアムですよね。
さらにコロナで人は集まりにくくなっているので、
折角集まった時はできるだけ一緒にいてもらいたいなと思います。
岩井;新たな形になる初日・・・確かにそうですね。
増井:そうやって日本は、きちんと一つ一つ意味を持ちながら
今の形式が作り上げられたという背景があるんですよね。
そういう意味では、随分と、家族という形が変わってきたのでしょうかね?
一族が一緒に住んでいた時代は起きなかった問題や課題が核家族の現代では。
岩井;本当ですね。ルールやシステムは変わっていくのは当たり前なのですが、
どこを変えて、何を守っていくのか、、というところがお話をお聞きしていると
大切な気がしますね。
増井:葬儀ってそういうことを、自分達だけではなく、
親族や関係者みんなが集まって顔を突き合わせて、
残された者たちがこれからの未来を改めて見直していく場なんですよね。
岩井:結婚式とかと同じで、家族や一族の形が変わり、人生がそこから変わっていくんですね。
葬儀屋さんをされていて、
“このお仕事でとても印象に残っていること”
って何かありますか?
増井:そうですね。
このお話は、とても不思議なお話で印象に残っているのですが。
5年ほど前、産まれる前にお子様を亡くされたご夫婦がいらして、ご葬儀をされました。
葬祭業は葬儀に特化したイベント事業者です。
そこは例として相応しくないかもしれませんが、
遺品整理事業者と廃棄物処理業者の差と言ったら分かりやすいでしょうか?
その差を私は弔いとか悼むとか呼んでおります。
そういったバックボーンを纏い、従事している事業者が
この国では人間が亡くなった際にお見送りのお手伝いをしております。
産まれる前のお子様はご家族にとっては勿論人間ですが、
私たち葬祭業者が携わることで社会性を得られると思っています。
そのお母様が私に先日お電話をくださいました。
当時、宗教のなかったそのご夫婦は私に「お仏壇」を
買ったほうが良いかお聞きになりました。
よく覚えています。
私はお仏壇は仏教なので、それに近い「場所」を作り、
お骨を祀り毎日お参りをしてくださいとお伝えしました。
それをお母様は信じて、毎日お参りをされていたそうです。
一年後、
ご夫婦はお子様を授かり、その一年後男の子がお生まれになったのです。
それから、
その子が3歳になった時、不思議なことが起きました。
なんと、その子は、特に何も教えてはいないのに、
その祀られた「場所」のことをなぜか、
「お姉ちゃん」と呼ぶようになったそうです。
その子には、きっと亡くなられた子の存在が見えていたのでしょう。
岩井:凄いお話ですね。
とても不思議なお話ですが、そこにいらっしゃるお一人お一人の気持ちが
なんだか伝わってきます。
増井:そうなんですよ。そこにストーリーがありますね。
色々なケースで、死生観やそもそもの家族の形を考えさせられる機会が
非常に多くあります。
岩井:葬儀屋さんから見た死生観とは?家族の在り方とは?というのは、
とてもお窺いしたいので、増井さんとは、永遠お話できる気がします。笑
お聞きしたいことが沢山なのですが、
最後の質問をさせてください。
増井さんが一番伝えたいことって何ですか?
増井:端的に言いますと『おせっかい』になるのかもしれませんが、
その機能を理解した上で連綿と続く代々の送り方を
現代風に変更していく必要があると思います。
集まって解決してきた問題を集まることが罪と言われた社会で
どのように乗り越えていくか重要なことですよね。
岩井:おせっかいですか。
この言葉だけでは、通常、あまりいいイメージで表現されないことが
多いですが、増井さんのいう、『おせっかい』は、これからの時代、
とても必要な要素な気もしますね。
もっともっと細かいテーマでいろいろお話をお聞きしたいのですが、
それはこちらを見ていただいているワンダーシティの増井さんのblogなどからも
読ませていただけますよね。
増井:もちろんです。皆さまにもっと大事なことを
色々な形で届けたいと思います。
ブログとしても発信していきますので、
よかったら、覗いてみてください。
岩井:増井さんのページはこちらになりますので、
もっともっと増井さんが語る世界に触れていただければと思います。
ワンダーシティ 増井さんの個人ページ
本日は本当にありがとうございました。
これからもワンダーシティの相談員代表メンバーとして
是非、多くの方のご相談に乗っていただけたら嬉しいです。
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代表 岩井の感想
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葬儀の場をこのような形でお話をお伺いするのは
本当に新鮮でした。
普段、参列するときは、亡くなった方や遺族の方へ意識が向くので
落ち着いてそもそも、人がなくなる場について考えたことがありませんでした。
こうやって、人の死を色々な形で見ている増井さんだからこそ
日本という文化や、人のあり方や死生観など、多くの観点から
感じたことをお話されているのだなと感じることが出来ました。
正直、まだまだお話足りないというのが本音ではありますが
今後、増井さんが発信されるブログを楽しみに読ませていただきたいと思います。
増井さん、本当に貴重なお話をありがとうございました。
ワンダーシティ 増井さんの個人ページ